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武漢大学に咲く桜の花 三国志の赤壁の戦いの舞台は中国随一の桜の名所だった

武漢大学(湖北省)の桜が見頃を迎えています。武漢の桜の開花シーズンは東京よりもやや早めですが、今年は、例年通り3月中旬に咲き始めています。

 

武漢大学の樱花大道

武漢大学の樱花大道(Yinghua Avenue)は、中国でも有名なの名所です。キャンパスの広さ3.44平方キロメートルの広大な敷地内には約1000本もの桜が植えられていて、毎年春には多くの人が桜を見に武漢大学を訪れています。

武漢大学の桜の入場システム

武漢大学の桜は、入場制限されるほどの人気です。予約は、平日は1万5千人週末は3万人に制限されています。

以前は、入場料がいりましたが、2018年からは「実名制、無料予約、二重チェック」のルールになり、事前のネット予約と自動改札ゲートでの顔認証システムを導入して管理されています。(動画0:40から)

インスタに咲く武漢大学の桜

 
 
 
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#wuhan#wuhanuniversity #cherryblossom #sakura#sakurarain

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武漢大学のクラウド花見|2020

今年の武漢大学の桜の花見は例年とは様子が異なります。

現在、武漢大学は封鎖されているので、今年の桜の一般公開はありません。

桜の花が咲く期間は校門を閉鎖し、学校内外の車両と人の通行を禁止する。感染症対策に関わる人は、指揮部の発行した証明書を提示することにより通行ができる。(引用元:AFPより)

その代わり、武漢大学から、3月16日から25日までオンライン花見がライブ配信されました。累計視聴者は、約600万人近くにもなりました。

新型コロナウイルスの予防・抑制のため、構内の一般公開はしていないが、満開の桜を楽しみたいという人々の要望に応えるため、同大学はインターネットを通じた「オンライン花見」サービスを開始した。16~25日の午前10時から午後4時まで毎日、桜の花をライブ配信する。(引用元:AFPより)

武漢大学は16日、桜を見ることができない市民のために、ビデオ共有アプリ「快手(kuaishou)」と共同で「珞珈の春、桜満開」シリーズのライブ放送を行った。第1部の放送では累計視聴者83万人を超え、ネットユーザーから71万以上の「いいね」を押された。第2部の「珞珈山のふもと、桜を待つ人の海」では、1時間未満のライブ放送で累計596万7000人が視聴し、「いいね」は364万5000を超えて、同時期のライブ放送番組中、一番人気だったという。(引用元:AFPより)

人民日報や新華社通信、国営テレビなどの多くのメディアも、5Gや4Kを使ったオンラインでのクラウド花見を提供し、話題になったようです。

微博では、5Gでのクラウド花見を意味する「5G雲賞桜」というハッシュタグが早速トレンド入り。関連する投稿へのアクセスは3000万を超え、コメントは3.2万にのぼります。香港メディアによると、最大で600万を超える同時視聴がありました。(引用元:withnewsより)

人民日報(People’s Daily)、新華社(Xinhua)通信、国営中国中央テレビ(CCTV)など多くの中央メディアも「快手」のプラットフォームを使って、武漢大学キャンパスの桜をライブ放送した。(引用元:AFPより)

武漢大学の桜の由来

それにしても、武漢大学になぜこれほどの桜が咲いているのでしょうか。これには、中国と日本の歴史が深く関わっています。

武漢と日中戦争

武漢の桜のルーツには、日中戦争(1937年〜1945年)下での、日本軍とある日本人女性の間である駆け引きがあったと言われています。

1938年4月、戦火が激しくなり、武漢大学は四川省楽山市へ疎開することになったが、当時の学長らは若手教員の湯商皓(タン・シャンハオ)さんと、その妻で日本人の鈴木光子さんに大学の保護を頼んだという。

10月に武漢市は日本軍に占領され、大学も軍に接収。夫妻は様変わりした市内に設けられた検問をいくつもくぐり抜け、軍の指揮官に談判。大学を荒廃させないように説得した。その後、戦闘部隊は郊外へ移動され、大学は司令部の後方基地となり、教室には兵士に向けて日本語の注意書きも掲示されるようになったという。

2人に応対した軍の指揮官は大学の保護を約束するとともに、「キャンパスを箱根のような風光明媚な文化地区にしたい」と話し、日本から桜の木を運び入れ、植えることが決まったそうだ。桜は日本の国花だが、中国の国花は梅。そこで湯さんは桜とともに、中国人に人気の梅も一緒に植えてはどうかと提案したが、これは実現には至らなかったという。(引用元:Record Chinaより)

田中角栄首相と武漢の桜

当時植えられた桜は伐採を逃れましたが、1950年代頃から老朽化で枯れ始めます。

そんな折、1972年の日中国交正常化田中角栄首相が1000本のを中国に贈ったのだそうです。周恩来首相はその桜の一部を武漢に植えられ、武漢の桜並木が息を吹き返します。 

武漢大学の桜並木は、1930年代に武漢を占領した旧日本軍が植えたのが始まり。桜の木は日本から持ち込んだもので、日本の敗戦後は伐採案も出たが、武漢を守備していた軍の将軍が退け、桜並木が守られたという逸話もあるという。

日本軍が植えた桜は50年代には枯れ始めたが、72年の日中国交正常化の際に田中角栄首相が周恩来首相に贈った桜1000株のうち50株が武漢大学に植えられ、80〜90年代にも日本から桜の寄贈があった。(引用元:recordchinaより)

一説には、桜は周恩来首相夫人に贈られたとも言われています。1000本もの桜の木を首相夫人に贈られるだなんてロマンチックですね。

この武漢の桜、日中国交正常化に伴い1973年に田中角栄さんが中国の周恩来さんの妻に寄贈したものでした。周恩来さんといえば、明治大学にも留学していた親日家です。熱意溢れる田中角栄さんと親日家の周恩来さん、この両首相でなければ国交正常化は当時ありえなかったとも言われています。

大山桜1000本が寄贈され、この中の800本が北京へ。しかし、北京では気候や土壌の違いにより大部分が枯れてしまいます。残り約200本が、周恩来さんのゆかりのある武漢と南京にそれぞれ寄贈されたそうです。(引用元:大東ビジネス創造センター D-Bizより)

中国に残る戦争の爪痕

武漢大学の桜の始まりが日本軍だったいうことで、批判が度々上がっていたようですが、日中国交正常化で送った田中角栄首相の友好の想いを受け継いでくださっている方もいらっしゃることは、本当にありがたいことです。

「植えたのは旧日本軍。侵略戦争のシンボル」「武漢大の桜は中国の恥か」など批判の声がネットにあふれたことがあった。坂道の並木を歩きながら、案内してくれた大学教員は「今のサクラは帝国主義のサクラではなく友好のサクラ、と言って批判をかわしました」と説明してくれた。(引用元:オルターより)

昨年は、警備員が和装をした花見客を暴行する事件がありました。武漢大学の桜の花見では和装が禁止されているようです。

これも日本軍ということが関係しているのでしょうか。いずれにしても、排他的なルールがあることはとても残念です。

中国で桜の名所として名高い湖北省武漢市の武漢大学で、和服に似た格好で桜を見に訪れた旅行者が警備員に暴行を受け、波紋を呼んでいる。武漢大には和服での桜の撮影を禁じる規定があり、インターネット上では「狭隘(きょうあい)な民族主義だ」などと大学を非難する声が上がっている。(引用元:朝日新聞より)

報道によると、友人と訪れた男性に対し、警備員が「和服」を理由に敷地に入るのを認めなかった。男性は和服ではなく唐時代の「唐装(とうそう)」と訴えたが、2人とも押し倒されたり、首を絞められたりするなどの暴行を受けた。  この場面の映像がネット上に流れると「和服がダメなら、日本の花であるサクラは全て切り倒して、(中国の花)ボタンを植えなければならなくなる。心の狭い民族主義だ」などの批判があふれた。 (引用元:毎日新聞より)

桜は日本の国花というけれど

桜のシーズンになると、桜が古くから日本人の心の花であるかのように言われていますが、本当にそうなのでしょうか。

桜のルーツは日本のはるか彼方だった

桜のルーツは、ネパールに咲くヒマラヤザクラという説があります。

元東京農業大学の染郷正孝教授は、ネパールの桜と日本の桜の染色体の共通点を発見され、日本で秋に咲くサクラは、狂い咲きではなくてヒマラヤザクラの先祖返りではないかと唱えていらっしゃいます。 

日本のサクラとネパールのサクラの遺伝的な特性を知るため、染色体を調べてみると、16個の染色体数をもつ野生種であることが解りました。 また交配実験でも授粉した花数に対する結実率は30~50%と良好な成績でした。このことから日本のサクラとネパールのサクラは遺伝的に非常に近い関係にあることが解りました。そして、日本で秋咲きのサクラが見られるのも、「狂い咲き」などではなく、「先祖返り」による可能性が高いのです。先祖返りとは、人間が類人猿から進化した名残りとして、ときどき尻尾が生えて生まれてきたり、乳房が三つあったりすることがあるように、先祖がもともともっていたものが何かのきっかけで出てくる現象のことです。 つまり、日本の秋咲きのサクラは、そのルーツであるヒマラヤザクラの先祖返りというわけです。 (引用元:東京農業大学ホームページより)

なぜ、日本では春に咲くようになったのか

桜が日本の気候にあわせて適応していくストーリーを読むとワクワクします。これは、先生の論文や著書でぜひ読んでみてくださいね。

 

> 特別寄稿 サクラの来た道|染郷正孝(東京農業大学)<

 

万葉集人気の植物ランキングtop10

万葉集では様々な植物が歌われています。桜も季節を表す植物としてうたわれていますが、1番多くうたわれているハギの和歌に比べるとの和歌はダントツに少ないのです。桜の花を愛でる習慣は意外に最近のことです。

1位 ハギ 142首

2位 ウメ 119首

3位 ヌバタマ 79首

4位 マツ 77首

5位 タチバナ 69首

6位 イネ 57首

7位 アシ 49首

8位 サクラ 47首

9位 ススキ 44首

10位 シダレヤナギ 36首 

 

武漢大学で行われた特別な花見会|2020

さて、今年は、武漢大学の桜の花見は一般公開されませんでしたが、実は、特別な花見が行われていました。新型コロナウイルスの治療に当たった全国からの医療関係者を特別に招待した花見Cherry Blossomes for frontline medic in Wuhanです。

CGTN(China Global Television Network)がその様子をyoutubeで紹介しています。

2020年1月の寒い厳しい時期に、中国各地から湖北省の武漢に来た救護医療チーム。

未知のウイルスで命を落とすかもしれない恐怖のなか最前線で活動された医療チームのみなさんには頭があがりません。

みなさんが桜の花で笑顔になっている姿をみると、こちらもほっと笑顔になります。

欧米諸国を始め日本でもまだまだ厳しい状況は続いています。

来年は、世界中のみんなで桜を楽しめますように。