春が終わり、夏を迎える前のこの時期がくると、庭先や道ばたにハートの形の葉っぱが勢いよく繁り、どくだみのお花がいっせいに咲きはじめます。
独特のツーンとしたにおいや、抜いても抜いてもすぐに生えてくるので、厄介な雑草扱いをされますが、 どくだみは、ゲンノショウコとセンブリとならぶ日本三大民間薬のひとつです。乾燥させたり、チンキにしたり、民間薬として活用されています。
今回は、そんなさまざまな効果が期待できるどくだみの活用法をご紹介します。
どくだみ について
どくだみの名前の由来は、毒を抑えるという意味の「毒矯(どくだ)め」からきたと言われています。
中国では、魚が腐ったような臭いということから、ギョセイソウ(魚腥草)と呼ばれています。日本各地でいろんな名前で呼ばれているそうですよ。
どくだみの花
どくだみの白い部分がお花と思われがちですが、白い部分は、花びらでもがくでもなく、苞(ほう)と呼ばれるもの。中心の黄色い部分がお花です。よく見ると小さいなお花が連なっていますね。
どくだみ 効果効能
ドクダミは、
ゲンノショウコとセンブリとならぶ日本三大民間薬のひとつとして、
古くから、お茶、民間薬、入浴剤、化粧品など様々な効果が期待できる薬草として使われてきました。
特に乾燥させた生薬は、十薬(じゅうやく)といわれ重宝されてきました。
葉に含まれる、デカノイルアセトアルデヒド、ラウリルアルデヒド、クエルシトリン、ミネラルや、花に含まれる、イソクエルシトリン、などの有効成分には、
殺菌作用、抗菌作用、解毒作用、排膿効果、利尿効果、整腸作用、動脈硬化の予防、ダイエット効果、美肌効果など、が期待されています。
花期の地 上部を採り、直ちに陽乾し たものをジュウヤク(十薬, Houttuyniae Herba)と よび、 煎剤を化膿、腫瘍、胎毒、蓄膿などの解毒薬として、また 利尿薬や緩下剤としても使わ れます。民間では生の葉を少し火にあぶり、腫れ物、化膿、痔疾等にはりつけると有効であるといわれ,センブリ,ゲンノショウコとならび日本3大民間薬の一つでもあります。 (引用元:城西大学「野山の花」より)
どくだみチンキ 作り方
どくだみに含まれるデカノイルアセトアルデヒドには、炎症を抑える作用のほか、ペニシリンよりも強力な殺菌作用があると言われています。ニキビや吹き出物の原因になる細菌や炎症を抑えてくれるほか、虫刺されのあとの炎症を抑える効果もあります。
また、お花に含まれるイソクエルシトリンには、は、毛細血管を丈夫にし、肌の新陳代謝を促進する効果があるので、シミやシワの予防のうれしい効果も期待できるのが、どくだみチンキの魅力です。
今回は、どくだみをアルコールにつけてチンキ剤(浸剤)を作ります。
チンキとは
チンキ剤(浸剤)とは、
アルコール、酢、オイルにつけて、ハーブの成分をじっくり抽出液です。
チンキ剤の利点は、長期保存ができること。どくだみのシーズンが終わってからも、化粧品、虫除けスプレー、除菌スプレーなど、様々な用途に使えて便利です。
どくだみチンキ 材料
- アルコール(25度以上):焼酎、ウォッカ、ホワイトリカー、など。アルコールの度数が高いほど保存性が高まります。
- ガラス瓶:保存用のガラス瓶は、煮沸消毒したのち、しっかり乾かします。
- どくだみ;適量(ガラス瓶に入る程度)
ガラス瓶は、450mlくらいがお手軽ですが、ドクダミのカサ分減ってしまうので、大きめの瓶(1ℓ程度)で作るのをおすすめします。
どくだみ の採取
どくだみの採取は、開花する5月〜6月が最適です。
野草は、お花が咲くときにたくさんのエネルギーを出すといわれています。お花が咲き始めたら、採取のサインです。
どくだみのフラボノイド(クエルシトリン)の含有率が最も高くなる開花期に採取するのが、効果的です。
ドクダミの収穫の最盛期は、開花時期である5月下旬~6月頃です。この時期が最盛期とされているのは、花をつけたドクダミが利尿作用や毛細血管の強化、炎症を抑える効果を持つクエルシトリンを最も多く含んでいるためです。(引用元:わかさの秘密より)
せっかく、自然素材の野草で作るので、
排気ガスのかかる車道や犬のおしっこがかかってしまいそうな歩道に生えているものは避けましょう。
お花が咲き切ったものよりは、咲きはじめの、黄色のお花や白い苞が鮮やかなどくだみを選びましょう。
どくだみチンキ 下処理
- 収穫する:土から5cmくらいの汚れていないところを刈り取ります。
- 洗う:収穫したどくだみは、ため水ですすぎ洗いをします。葉の表面についている土やほこりを洗い落とします。
- 乾かす:洗い終わったら、水分が残っているといたみやすくなるので、重ならないように小分けして陰干しをして、水分をとばしましょう。
- お花の成分(美肌成分)をたくさん使いたいときは、葉とお花を分けておくといいですね。
どくだみチンキ 作り方
葉っぱのみ、お花のみ、万能タイプのお花と葉っぱミックス、など、オリジナルのチンキ剤をつくってみましょう。
葉:抗菌成分・消炎作用
花:美肌成分
step:1 浸ける
どくだみをガラス容器につめて、アルコールをひたひたに注ぎます。
虫除けスプレーを作る場合、
どくだみの虫除け効果は香りにあると言われていますが、アルコールにつけることで香りが落ちてしまいます。
虫除けスプレーを作りたい場合は、次のオプションをタスと、より防虫効果の高い虫除けスプレーが作れます。
- チンキ剤を作るときに、クローブ(ホール)を数個足して浸ける
- シトロネラ・ゼラニウムなど防虫効果のある精油数滴ブレンド
step:2 保管する
蓋をして、直射日光の当たらない冷暗所で置きます。
アルコールにつかっていないと、カビの原因になるので、2〜3日に1回、軽く全体をまぜて、全体が浸かるように確認します。
step:3 完成
数日経つと、琥珀色のエキスが出始めます。きれいな琥珀色になったら完成です。1〜2ヶ月を目安に、浸けたドクダミを取り出して、チンキ剤(浸剤)のみを保管します。
どくだみチンキ 使い方
どくだみチンキを虫除けや化粧水として使う場合は、
小さめのスプレー ボトルに入れると、持ち運びに便利です。
ボトルは、ネットショップや、アロマショップのほか、100均などで簡単に手に入ります。
ボトル選びの注意点は、酸化しにくい遮光ビンや、アルコール対応のボトルを選びましょう。
どくだみチンキ 虫除けスプレー
どくだみチンキ剤を、小さめのスプレー ボトルに入れます。
30cmほど離して肌に直接スプレーします。
どくだみには、消炎効果があるので、
虫に刺された後のかゆみ止めにも効果があります。
チンキ剤をティッシュやコットンなどに含ませて塗布すると効果的です。
どくだみチンキ 化粧水 作り方
材料
- どくだみチンキ剤
- 精製水
- グリセリン(5~10%)
どくだみチンキ剤を、2〜3倍の精製水でうすめて使います。
精製水で希釈するので、チンキ剤原液に比べていたみやすくなります。
少量ずつ作って、冷蔵庫で保管すると、いつもフレッシュな化粧水が使えますよ。
どくだみチンキ うがい薬
どくだみには抗菌作用があります。
コップに小さじ半分程度入れてうがいをすると、風邪予防にも効果的です。
まとめ
いかがでしたか。
この頃は、自然派志向で、合成成分の入っていないアロマを使った手作りの化粧品をつくる人が増えてきましたが、
ハーブや野草など、身近な季節の素材を使って、化粧品以外の手作りの日用品にもレパートリーを少しずつ取り入れてみたいですね。
どくだみのお花が咲いているこの時期に、ぜひ作ってみてくださいね。