こんにちは、カレーが大好きなQUATRE(キャトル)です。
今、我が家は、インドカレーブームです。夏が近づいているからか、本屋さんでもカレー特集のコーナーにも目に止まります。
いままでなんとなくインドカレーとひとくくりにみていましたが、調べていると種類がたくさん。インドカレーの奥深さにうなる日々です。
今日は、先日から調べているそのインドカレーについて、まとめてみることにしました。
インドカレー とは
私たちはスパイスをふんだんに使ったとろみのある料理をカレーと呼んでいますが、インドにインドカレーと呼ばれる料理はありません。
カレーは、ヨーロッパ人がスパイスを使った煮込み料理をカレーと呼んだのがはじまりです。スープや汁を表すタミール語のカリ(kari)がカレー(curry)になったと言われています。
※この記事では、日本の慣習にならって「カレー」の名称を使わせて頂きます。
13億人以上もの人が暮らすインド。国土が日本の9倍もある広大なインドは、大きく東西南北の4地域(北東インドを分ける場合は5地域)に分けられます。
28州からなるインドは、地域によって、気候、歴史的な背景、民族、言語、宗教、などが多種多様です。それぞれの地域によって使う食材もスパイスも異なり、食文化がバラエティに富んでいます。
(引用元:S&Bカレー.comより)
気温の低い北インドでは、体を温めるため脂肪分の多いこってりしたカレーが多く、小麦が育ちやすい地域なのでパンとお米の両方が食べられています。
年間を通して暑い南インドでは、酸味や辛味の強いさっぱりしたカレーが多く、水が豊富で稲作に適した地域なのでお米が主流です。
また、インドでは、医食同源の考え方のもと食べ物はキッチンファーマシーと呼ばれています。その日の気候や体調によって、スパイスを効能で選んで、体を整える役割もあるんだそうですよ。
北インドカレー 種類と名前
(引用元:「地理月報」No553号『インドカレーの地理』より)
北インドのカレーは、玉ねぎをしっかりと炒め、生クリームなどの乳製品やナッツなど脂肪分が多い食材を使った、こってりととろみが強い濃厚なベースです。
ガラムマサラ、クミン、カルダモン、ターメリック、シナモン、クローブ、ナツメグなど、香辛料をたっぷり使ったスパイシーな香りが特徴です。
北インドは、小麦の栽培がさかんなので、
ナン(Naan)、ロティ(Roti)、チャパティ(Chapati)、パラタ(Paratha)など、
小麦粉をこねたパン類といっしょにカレーを食べられることが多いですが、バスマティ米も食べられています。
タンドリーチキンなどタンドール窯をつかったタンドール料理も有名です。
代表的な北インド料理に、パンジャーブ料理とムガール料理があります。
パンジャーブ料理は、インド北西部からパキスタンにかけてのパンジャーブ地方の料理で、パンジャブ州のアムリットサルを中心に食べられています。
ヒンドゥー教の影響が強く、野菜や豆を使う料理やトマトベースのカレーが多いようです。
タンドール窯を使ったナンやタンドリーチキンや、乳製品を使ったバターチキンカレーは、パンジャーブ料理がルーツとされています。
ムガール料理は、トルコ系イスラム王朝ムガール帝国(1526-1858)の宮廷料理で、首都デリーを中心に食べられています。
ナッツや生クリーム、サフランやカルダモンなど高級なスパイスを使うのが特徴です。
アフガニスタンやペルシャのイスラム圏の影響が強く、ヨーグルトベースで、お肉のカレーの種類が豊富です。
ナンは、次のような違いがあります。
- パンジャーブ料理 → 細長くふくらみは少ない
- ムガール料理 → 丸くてふくらみがある
北インドカレー|ムルグマカニ
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ムルグ マカニ(murgh makhani)は、バターチキンカレーです。タンドリーチキンをカシューナッツ、生クリーム、バター、トマトなどで煮込んだカレーです。
北インドカレー|キーママタル
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キーマ マタル(keema matar)は、ひき肉とグリンピースのカレーです。
北インドカレー|パラクパニール
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パラク パニール(palak paneer)は、ほうれん草とチーズのカレーです。
北インドカレー|サグカレー
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サグカレー(sarson ka saag)は、からし菜のカレーです。日本では、ほうれん草カレーのことをサグカレーと呼んでいますが、サグは菜の花(からし菜)のことなのだそうです。
ほうれん草のカレーのことや、ほうれん草のことを「サグ」と言ってますが、ほうれん草=サグというのは実は、間違いです。ほうれん草はヒンディ語ではパラクといいます。サグは菜の花のこと。北インドでサグカレーと言ったら「菜の花(からし菜)で作ったカレー」のことです。 (引用元:インド人シェフのブログより)
北インドカレー|コルマカレー
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コルマ(korma)カレーは、ダヒ(インド風ヨーグルト)、生クリーム、ナッツペーストをベースに作られる白くてクリーミーなカレーです。
南インドカレー 種類と名前
南インド料理は、インド半島の南方3州を中心とした地域で食べられている料理です。
北インドでは、動物性のメニューが目立つのに対して、
南インドでは、キリスト教徒やイスラム教徒が多い一部地域を除くと、菜食が中心で、野菜や豆類を使ったメニューが目立ちます。
(引用元:「地理月報」No553号『インドカレーの地理』より)
南インドカレーは、あっさりと辛みの強い味付けで、とろみが少なくさらっとしたスープ状です。
マスタードオイルやごま油にマスタードシード、クロガラシ、カレーリーフなどのスパイス香りをなじませ、具材を煮込んだスープと最後に合わせて仕上げます。
甘味には、ココナッツ、
酸味には、トマト、ヨーグルト、未熟マンゴー
などが使用されます。
主食は、お米で、バスティマライスがよく食べられています。
南インドで定食はミールス(meals)と呼ばれ、バナナの上にスープ、ライス、炒めもの、複数のスパイス料理(カレー)を並べます。
バナナの葉の上で、お米とスパイス料理(カレー)を右手でよく混ぜ合わせ、ひと口大にまとめて口に運んで頂くのが本場の食べ方です。
南インドカレー|アヴィヤル
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アヴィヤル(avial)は、ココナッツとヨーグルトの野菜カレーです。
ココナッツミルクを使うのはケララ州のインドカレーの特徴です。
南インドカレー|サンバル
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サンバル(sambhar)は、野菜と豆のカレーです。
玉ねぎ、トマト、大根、じゃがいも、茄子、インゲン、オクラなどの野菜の旨味のでたスープとムングダル(緑豆)やトゥールダルなどの豆を合わせたカレーです。
インドネシア料理やマレー料理で使われる調味料サンバル(インドネシア語: sambal, sambel)とは別物です。
南インドカレー|ラッサム
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ラッサム(rasam)は、タマリンドやトマトの酸味と黒コショウやニンニクの辛味のきいたスープです。南インドではとてもポピュラーなメニューのひとつで、タミル語でジュースという意味だそうです。
東インドカレー 種類と名前
(引用元:「地理月報」No553号『インドカレーの地理』より)
東インドの代表的な料理は、ベンガル料理です。
ベンガル料理は、カルカッタを中心にインド西ベンガル州からバングラデシュにかけての地域で食べられています。ジョル(jhol)と呼ばれるスパイシーなスープがよく食べられています。
東インドのカレーは、魚介類、野菜、レンズ豆を使うカレーが多いですが、イスラム教徒もいるのでマトンやチキンを使うお肉のカレーもあります。
お米といっしょに食べ、ナンは食べません。
油は、北インドと同じくマスタードオイルがよく使われています。
香辛料は、マスタード、フェヌグリークシード、クミンシード、アニス、フェンネルシード、キャラウェイシードなどがよく使われています。煮込み料理には、白いケシの実(posto)も使われています。
東インドカレー|ショルシェ・マーチ
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ショルシェ マーチ(shorshe mach)は、魚のマスタードカレーです。
東インドカレー|ルイマチェル・ジョル
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ルイ マーチェル ジョル(rui macher jhal)は、鯉のスープカレーです。ルイ ジョル とも呼ばれています。ルイは鯉です。ベンガルではとても人気があるそうですよ。
そう、ショルシェ・マーチ。日本中の人にこのおいしさを知ってもらいたい、というのがこの本のもう一つのテーマでもあるくらい。魚だと、ルイマーチル・ジョルも食べてみてほしいな。ルイは日本でいうコイなんだけど、カレーにした時のポテンシャルが半端ない。 (引用元:BRUTUSより)
西インドカレー 種類と名前
(引用元:「地理月報」No553号『インドカレーの地理』より)
パキスタンに近いグジャラート州は、ジャイナ教菜食主義の影響で、菜食主義者が多く、
南インドに近いゴア州では、ポルトガルの影響で魚介類を使った料理が多いです。
また、イスラム教の多い地域では、チキンやマトンも食べられています。
お米とパンの両方あり、雑穀から作られるロトラ(rotla)という平たいパンは、この地域のパンです。
代表的な西インド料理に、ゴア料理 、グジャラート料理、ラジャスターン料理 があります。
ゴア料理は、ポルトガルの影響を受けた料理が多く、グジャラート料理とラジャスターン料理は、ベジタリアンの方はチェックしておきたい料理かもしれませんよ。
西インドカレー|ポーク・ビンダール
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ポークビンダール(pork Vindaloo)は、 ポークカレーです。ポルトガル料理がルーツで、にんにくといっしょにワインビネガーに漬けた豚肉をたっぷりのスパイスといっしょに煮込んで作ります。
西インドカレー|チキン・シャクティ
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チキン・シャクティ(chicken xacuti)は、チキンカレーです。こちらもポルトガルの影響をうけたメニューのひとつです。シャクティは、スパイスで肉や魚介類をココナッツミルクなどで煮込んだゴア料理の総称です。
カシミールチリ(唐辛子)やケシの実がよく使われます。
チキンシャクティ(ゴア風チキンカレー)とターメリックライス 柴崎 武志シェフのレシピ | シェフごはん
西インドカレー|ゴア・フィッシュカレー
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ゴアフィッシュカレー(Goan Fish Curry)は、タマリンドとココナッツミルクをベースにしたフィッシュカレーです。
タマリンドの酸味とココナッツミルクの甘味の効いたカレーで、魚の旨味を引き出すために強い香辛料は使わないのが特徴です。
フィッシュカレーは、南インドの土着的な料理であり、非常にシンプルなスパイス構成で魚の旨味や特徴を存分に楽しんでいただくカレーです。チキンカレーやマトンカレーに絶対に入るともいえるカルダモン、シナモン、クローブのような香りの強いスパイスは本来使わないのも特徴。このカレーもそうですが、タマリンドとココナツミルクを軸とする組み合わせは、南インドの海岸地域全域にある最もスタンダードな組み合わせで、魚の旨味を活かすとても愛されている味わいです。(引用元:エリックサウスHPより)
西インドカレー|カーディ
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カーディ(Kadhi)は、グジャラートやラージャスターのスパイス入りスープです。ベサン(ひよこ豆の粉)のソースにダヒ(ヨーグルト)で酸味を加えたスープに、お肉の代わりに、パコラと呼ばれる野菜のフリッターを入れます。
キチュリと呼ばれるおかゆやご飯、またはロティといっしょに頂きます。
西インドカレー|サフェド・ラジャスタン・マーンズ
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サフェド・ラジャスタン・マーンズ(Safed Rajasthan Maans)は、ラジャスタンの白いラムカレーです。カシューナッツをベースにしたカレーで、幻の皇帝のカレーとも呼ばれています。
まとめ
私たちは、スパイスを使ったとろみのある料理をカレーと呼んでいますが、インドにインドカレーと呼ばれる料理はありません。
カレーは、スープや汁を表すタミール語のカリ(kari)がカレー(curry)になったと言われています。
北インドでは、脂肪分の多いこってりしたカレーが多く、小麦が育ちやすい地域なのでパンとお米の両方が食べられています。
南インドでは、酸味や辛味の強いさっぱりしたカレーが多く、水が豊富で稲作に適した地域なのでお米が主流です。
インドカレーがテイクアウトできるお店
インドカレーがテイクアウトできるお店情報は、別記事でまとめています。
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