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入院による筋力低下からの回復 リハビリと食事の重要性

入院生活は、筋力低下を引き起こし、その後の生活にも影響を与える場合があります。

この記事では、入院によって低下した筋力を回復するためのリハビリ方法や、回復をサポートする食事について詳しく解説します。寝たきり予防のための知識や、退院後の生活を見据えた対策について学びましょう。

入院による筋力低下

入院による筋力低下は、患者さんの生活の質を著しく低下させる可能性があります。しかし、

適切な対策で予防は可能です。

この記事では、入院によって低下した筋力を回復するためのリハビリ方法と、回復をサポートする食事について詳しく解説します。

積極的にリハビリテーションに取り組み、栄養状態を改善することで、寝たきりを予防し、入院中に失われた筋力を取り戻し元の生活に戻ることを目指しましょう。

入院中の筋力低下はなぜ起こるのか

入院中は、活動量が減少し筋肉への刺激が減少するため急速な筋力低下が起こりやすくなります。特に高齢者の場合、もともと筋肉量が少なく筋肉の合成能力も低下しているため、その影響はより顕著に現れ、急速に筋力が落ちてしまいます。入院期間が長引くほど、この傾向は強まります。

筋力低下がもたらす日常生活への支障

筋力低下は、歩行困難、立ち上がり困難、転倒リスクの増加など、日常生活の様々な場面で支障をきたします。また、精神的な負担も大きくなる可能性があります。筋力、特に下肢の筋力低下は、移動能力を著しく低下させ、自立した生活を送る上での大きな障壁となります。階段の昇降が困難になったり、ちょっとした段差でつまずきやすくなったりすることも、その一例です。

転倒は骨折などの重篤な怪我につながる可能性があり、生活の質を著しく損ねます。

精神面では、活動範囲の制限から社会との繋がりが薄れ、孤立感や抑うつ状態を招くこともあります。

筋力維持・向上のための対策を講じることは、身体的な健康だけでなく、精神的な健康を維持する上でも非常に重要です。

廃用症候群とは何か

廃用症候群は、安静状態が続くで起こる様々な身体機能が低下する症状の総称です。

安静状態が続くと、筋肉が使われなくなり徐々に萎縮していきます。これは、筋肉を構成するタンパク質の分解が進み、合成が低下するためです。さらに、筋肉への血流も減少し、酸素や栄養素の供給が滞ることも、筋力低下を加速させる要因となります。

廃用症候群は、筋力低下だけでなく、関節の拘縮、呼吸機能の低下、精神機能の低下など全身に様々な悪影響を及ぼします。

 

 

 

 

  • 関節の拘縮 可動域を制限し、日常生活動作をさらに困難にします。
  • 呼吸機能の低下 肺炎などの呼吸器感染症のリスクを高めます。
  • 精神機能の低下 認知機能の低下や意欲の低下を招き、社会復帰を遅らせる原因となります。

これらの症状は互いに関連し合い、悪循環を生み出す可能性があります。基礎疾患を持っている場合や、栄養状態が悪い場合も、廃用症候群のリスクは高まります。

廃用症候群の予防には、早期からの積極的なリハビリテーションと、全身状態の管理が不可欠です。

高齢者の筋力低下のスピード

一般的に、高齢者は若年者に比べて筋力低下のスピードが速い傾向にあります。

加齢に伴い、筋肉量は徐々に減少していきます。これは、筋肉を構成するタンパク質の合成能力が低下するためです。また、神経系の機能も低下し、筋肉への指令伝達がスムーズに行われなくなることも、筋力低下の原因となります。

高齢者の場合、これらの変化に加えて、基礎疾患や栄養状態の影響も受けやすいため、筋力低下のスピードが速くなる傾向にあります。

しかし、筋力トレーニング適切な栄養を摂ることで、筋肉量の減少を抑制し、筋力低下の進行を遅らせることができます。

筋力トレーニングは、筋肉への刺激を与え、タンパク質の合成を促進する効果があります。高齢者の場合、無理のない範囲で、軽い負荷のトレーニングから始めることが大切です。

また、タンパク質を十分に摂取することで、筋肉の材料を補給し、筋力維持をサポートすることができます。高齢者の場合、消化吸収能力が低下している場合があるので、消化の良いタンパク質源を選ぶようにしましょう。

年代別の筋力低下のスピードは、個人差が大きく、生活習慣や健康状態によって異なります。しかし、適切な対策を講じることで、誰でも筋力低下の進行を遅らせることが可能です。年齢を重ねても、健康的な生活を送るために、筋力トレーニングと適切な栄養摂取を心がけましょう。

10日間の安静で筋肉量はどれくらい減る?

10日間の安静によって足の筋肉量は約6.3%減少すると言われています。あくまで平均値なので、個人差がありますが、筋肉量に大きな影響を与えることは間違いありません。この減少を最小限に抑え、退院後の生活をスムーズに送るために、入院中から早期からのリハビリテーションと栄養状態の改善を心がけ筋力低下を防ぎましょう。

特に、高齢者や基礎疾患を持っている場合は、より筋肉量の減少幅が大きくなる可能性があります。筋肉量の減少は、筋力低下に直結し、歩行困難や転倒のリスクを高めます。そのため、できるだけ早期のリハビリテーションが非常に重要です。

ベッド上での簡単な運動や、起き上がり、立ち上がりなどの動作練習を行うことで、筋肉への刺激を維持し、筋肉量の減少を最小限に抑えることができます。

また、栄養状態の改善も重要です。特に、タンパク質を十分に摂取することで、筋肉の分解を抑制し、合成を促進することができます。

効果的なリハビリテーション戦略

早期リハビリテーションの重要性

入院早期からリハビリテーションを開始することで、筋力低下の進行を抑制し、早期の機能回復を促すことができます。入院直後から、患者の状態に合わせて、ベッド上での簡単な運動やストレッチから開始することが重要です。早期離床を促し、可能な範囲で日常生活動作を行うことも、筋力低下の予防に繋がります。

多職種が連携し、患者中心のリハビリテーションを提供することが、早期回復への鍵となります。

理学療法士は、患者の筋力、関節可動域、バランス能力などを評価し、個別のリハビリテーションプログラムを作成します。

医師は、患者の全身状態や合併症を考慮し、リハビリテーションの実施可否や注意点などを指示します。

医師や理学療法士と連携し、個々の状態に合わせたリハビリテーション計画を立てましょう。

自宅でできるリハビリテーション

退院後も自宅でリハビリテーションを継続することが重要です。退院後のリハビリテーションは、入院中に得た機能回復を維持・向上させるために不可欠です。

 

自宅でできるリハビリテーション

  • ストレッチ 関節の可動域を維持
  • 軽い筋力トレーニング 筋力向上を目指す
  • 有酸素運動(ウォーキングなど) 全身持久力を高める

これらの運動は、無理のない範囲で、毎日継続することが重要です。

また、AViCのような訪問リハビリテーションサービスを利用することで、専門家による指導を受けることができ、より効果的なリハビリテーションを行うことができます。

リハビリテーションの注意点

リハビリテーションを行う際は、無理をせず、安全に行うことが最も重要です。痛みを感じる場合は、無理に運動を続けると、症状が悪化する可能性があります。痛みを感じたらすぐに中止しましょう。

必ず医師や理学療法士に相談し、適切な運動量や方法を指示してもらいながら、徐々に運動強度を上げていきましょう。最初は軽い運動から始め、徐々に負荷を増やしていくことで、安全かつ効果的に筋力や機能を向上させることができます。

筋力回復を支える栄養療法

タンパク質の重要性

筋肉の材料となるタンパク質は、筋力回復に不可欠です。

タンパク質は、筋肉を構成する主要な栄養素であり、筋力回復には欠かせません。体重1kgあたり1.0~1.2gのタンパク質摂取が推奨されます。肉、魚、卵、乳製品、大豆製品など、様々な食品からバランス良く摂取しましょう。

特に、必須アミノ酸であるロイシンは、筋肉合成を促進する効果が高く、積極的に摂取することが推奨されます。

ロイシンは、牛乳や大豆製品に多く含まれています。高齢者の場合は、消化吸収能力が低下していることがあるため、消化の良いタンパク質源を選ぶようにしましょう。

効果的なタンパク質の摂取方法

タンパク質は、一度に大量に摂取するよりも、毎食バランス良く摂取する方が効果的です。一度に大量に摂取しても、体内で有効に利用されないことがあります。

特に、運動後30分以内は、筋肉がタンパク質を最も吸収しやすい状態にあるため、このタイミングでタンパク質を摂取すると、筋肉合成がさらに促進されます。プロテインなどのサプリメントを活用することも有効です。

栄養補助食品の活用

食欲不振や消化機能の低下など食事からの摂取が難しい場合は、プロテインパウダーやアミノ酸サプリメントなどの栄養補助食品を活用することも効果的です。

  • プロテインパウダー 手軽にタンパク質を補給できる 忙しい人や食欲がない時に便利
  • アミノ酸サプリメント 消化吸収が早く効率的に筋肉に栄養が届く

ただし、過剰摂取は、腎臓に負担をかけたり、下痢などの消化器症状を引き起こしたりする可能性があるため、注意が必要です。医師や栄養士に相談し、適切な量を摂取するようにしましょう。

高齢者のための特別な注意点

サルコペニアとリハビリ

高齢者では、加齢に伴い筋肉量が減少するサルコペニアが起こりやすくなります。

サルコペニアは、加齢に伴い筋肉量と筋力が低下する現象です。

転倒リスクの増加、日常生活動作の困難化、生活習慣病のリスク増加など、様々な健康問題を引き起こし、高齢者の生活の質を大きく損なう原因となります。

適切なリハビリテーションと栄養療法によって、サルコペニアの進行を抑制し、筋力低下を防ぐことが重要です。

リハビリテーションでは、筋力トレーニングを中心に、バランス能力や柔軟性を高める運動も取り入れます。

栄養療法では、十分なタンパク質摂取に加え、ビタミンDやカルシウムなどの栄養素も積極的に摂取します。

退院後の生活を見据えた準備

退院後の生活をスムーズに送るためには、入院中から様々な準備をしておくことが重要です。介護サービスが必要な場合は、どのようなサービスがあるのか、どのように利用すれば良いのかを情報収集しておきましょう。福祉用具が必要な場合は、どのような用具があるのか、どこで購入またはレンタルできるのかを調べておきましょう。

家族や地域包括支援センターと連携し、退院後の生活について相談し、安心して生活できる環境を整えることも大切です。

高齢者向け住宅の選択肢

退院後の生活が困難な場合は、高齢者向け住宅への入居を検討することも選択肢の一つです。

介護老人保健施設、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、それぞれの施設の特徴を理解し、ご自身の状況やニーズに合った適切施設を選びましょう。

 

  • 介護老人保健施設 リハビリテーションや医療ケアを目的とした施設
  • グループホーム 認知症の方を対象とした少人数制の共同生活施設
  • サービス付き高齢者向け住宅 バリアフリー構造で生活相談や安否確認などのサービスが受けられる住宅

施設見学や体験入居などを通して、施設の雰囲気やサービス内容を確認することも重要です。

まとめ:入院後の筋力低下からの回復に向けて

入院による筋力低下は、誰にでも起こりうる問題ですが、適切なリハビリテーションと栄養療法になど、適切な対策をとることで、改善することができます。

早期からリハビリテーションを開始し、十分なタンパク質を摂取することが重要です。退院後も、自宅でできるリハビリテーションを継続し、必要に応じて専門家のサポートを受けるようにしましょう。

家族や友人のサポートも、回復への大きな力となります。諦めずに、積極的に取り組むことで、元の生活を取り戻すことができるはずです。