お彼岸や月命日などにお墓参りになかなか行けなくても、お盆には、墓参りへ行かれる方が多いではないでしょうか。
お墓参りには本来は決まりはなく、行きたい時に行けばよいことになっていますが、ご先祖様をはじめ亡くなった方の霊が浄土からこの世に戻ってくると言われるお盆の時期のお墓参りが慣習になっています。
そこで、今回は、お盆期間中、いつお墓参りへ行くのがよいとされているのか、お墓参りのマナーについてまとめてみました。ご参考いただけると幸いです。
お盆 の由来は?
お盆は、中国仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)や中国の道教の中元節がはじまりです。
農閑期にあたる旧暦7月15日に行われる儀式でした。
中国の中元節と日本のお盆とは、地獄から解放された死者たちの供養をするという共通の信仰を背 景として、同じような時期に挙行されるが、儀礼の内容は一方は普渡の儀礼を行うことを主とし、一 方は祖先の祭りを主とするなど、力点の違いも見られる。(引用元:中元節の成立についてより)
中国から入ってきた盂蘭盆会や中元節が、日本にあった故人を供養する風習とあわさって、現在まで伝わってきました。
2022年 お盆の期間はいつ?
日本のお盆の期間は、地域などによって3パターンあります。
- 旧盆(旧暦) 旧暦の7月15日を中日にしたお盆
- 新盆(新暦) 7月13日〜16日(中日:7月15日)
- 月遅れ盆(新暦)8月13日〜16日(中日:8月15日)
それぞれを見てみましょう。
お盆の期間|旧盆
旧暦のお盆は、旧盆または旧暦盆と呼ばれています。
今年の旧盆は、
2022年8月28日(月)~ 8月30日(水)です。
旧暦の風習が残っている沖縄や奄美諸島では、旧暦7月15日で行われています。
旧暦の15日なので、満月の日になります。
- 旧暦7月13日 ウンケー「お迎え」
- 旧暦7月14日 ナカビ(ナカヌヒ)
- 旧暦7月15日 ウークイ「お送り」
来年以降は、下記の通りです。
2024年8月16日(金)~ 8月18日(日)
2025年9月4日(木)~ 9月6日(土)
お盆の期間|新盆
今年の新盆の期間は、
2023年7月13日(木)~ 7月16日(日)です。
新盆、新暦盆、七月盆、東京盆、と呼ばれています。
旧暦から新暦に切り替えた明治政府のおかれた関東近郊、静岡の一部、金沢の一部で行われています。
お盆の期間|月遅れ盆
今年の月遅れ盆の期間は、
2023年8月13日(日)〜16日(水)です。
現在、通例として全国的に行われているお盆は、
新暦盆の1ヶ月後に行われる月遅れ盆で、八月盆、とも呼ばれています。
これは、新暦に切り替えた際に、時期が1ヶ月早くなることで、
- 農繁期にあたる
- 梅雨が明けきらない
- お供物がそろわない
など、不都合が生じてしまいました。
そこで、旧暦のお盆にあわせて1ヶ月後に月遅れ盆が設定され、全国的に行われるようになりました。
日本ではもともと旧暦の7月13〜16日にお盆をしていました。それが明治時代に行われた改暦後もお盆は7月のままとされたのです。しかし、同じ7月でも新暦の7月ですから、季節感としては約1月分前倒すかたちになったわけです。
そうすると、お盆に必要な植物や食べ物が用意できなくなったり、農繁期に重なってしまったりと、なにかと不都合が出てきてしまいました。そこで月遅れ盆、本来の月日から1ヶ月おくらせた8月のお盆が広まっていったのです。 (引用元:暦生活より)
お盆期間中の過ごし方
ご先祖様の御霊は、
13日の夕方に戻ってこられて、
16日の明け方に帰られると言われています。
13日 盆入り(迎え盆)
14日〜15日 ご先祖様が家族と共に過ごす期間
16日 盆明け(送り盆)
お盆期間中の過ごし方|迎え盆
迎え盆は、迎え火を焚いて、ご先祖様の御霊をお迎えします。
お盆期間中の過ごし方|精霊棚
盆入り(送り)から盆明け(送り盆)までの期間、
精霊棚に、精霊馬と精霊牛を飾ります。
これは、ご先祖様の御霊が乗ってこられる動物と言われています。
精霊馬:早く帰ってほしい(内向き)
精霊牛:ゆっくり帰ってほしい(外向き)
という、思いが込められています。
地域によっては、場合もあるので、地域の風習を確認されてみてくださいね。
この頃は、こんな精霊馬セットが販売されていますよ。
自分のライフスタイルに合ったお迎えをするのもよさそうですね。
お盆期間中の過ごし方|送り火
送り盆は、送り火を焚いてご先祖様の御霊をお見送りする日です。「また来年帰ってきてください」と手を合わせてご先祖様をお送りします。
正しいお墓参りの仕方
お墓参りにもマナーがあります。ご先祖様に失礼のないようお参りしたいですね。注意点をまとめました。地域やご家庭の慣習がある場合はそちらを優先しましょう。
お墓参りはいつがいい?
お盆期間中、いつお墓参りに行けばよいのでしょうか。
お盆期間中のお墓参りは、いつ行かなければならないという決まりはありませんが、ご先祖様をお迎えするために、迎え盆の13日にお墓参りをする人が多いようです。
地域によっては、14日や15日にお墓参りに行ったり、16日に墓参りには行かない場合もあります。
お墓参りの時間帯は?
お墓参りに行く時間帯は、お盆に限らず、午前中に行くのがマナーとされています。
13日の午前中にお参りをするのがよいとされています。
霊園や納骨堂には、入場時間が決まっている場合があるので、事前に確認してから行きましょう。
お墓参り 持ち物
お墓参りをする際は、お供え物やお墓の掃除用具などを持参しましょう。
お墓やお寺に売店がある場合は、お線香・お花・ろうそく・お供えものなどを販売している場合もありますが、 ない場合は、近くにお店がない場合が多いので出かける前に確認してきましょう。
・お線香
・着火剤(マッチ、ライターなど)
・ロウソク
・供花(一対)
・花ばさみ
・お供え物(お菓子・水・お茶)
・半紙 (供物を置く用)
・数珠
<掃除用>
・お水(墓石用 お寺などで汲める場合は不要)
・お墓の掃除用品(タオル、雑巾、柔らかいスポンジ・毛の柔らかいブラシ、ほうき、ちりとり)
・掃除用具(ゴミ袋)
・軍手(手袋)
<確認事項>
・柄杓(ひしゃく)
・手桶
・掃除用具
お寺や霊園の墓地は、柄杓、手桶、水道設備、掃除道具などが備え付けてある場合が多いです。事前に確認しておくと便利です。
お墓参り 服装
お盆のお墓参りの服装は、
初盆など特別な場合は、
喪服を着用する場合があるので、事前に確認をしておきましょう。
初盆でなければ、
特に決まった服装はなく、普段着で問題ありませんが、故人に会いに行くことを踏まえて、華美になりすぎず、落ち着いた服装でのお参りがいいでしょう。
また、お墓の掃除をしやすいように、動きやすく濡れたり汚れても問題ない服で行くのが無難です。
途中に未舗装の道がある場合は、歩きやすい靴を選ぶとよいでしょう。
寺院墓地の場合
寺院墓地の場合は、
まず、手を洗い清め、本堂でお参りを済ませてから、お墓に行きます。
また、永代供養墓や共同墓などの合祀墓がある場合は、そちらもお参りします。
お墓の掃除
お墓に着いたら、お墓参りよりも先にお墓掃除をします。水汲み場がある場合は、手桶や柄杓など備え付けのものがあれば借りて、墓石にかける水を汲みます。
【敷地内】
雑草や枯れ葉などのごみを取り除きます。
【墓石】
汚れがひどい場合は水をかけてスポンジなどでこすり落とし、タオルでふきあげます。
*金タワシなど傷がつく素材はNG
【水鉢・花立て・線香受け】
落葉やゴミなどあれば取り除いて、丁寧に洗います。仕上げに、タオルなどで水気を拭き取ります
お供え
【菓子・飲み物】
半紙を敷いて、その上にお供え物を置きます。
お供え物は、季節の果物や故人様がお好きだったお菓子・お花をお供えします。
墓石にお酒をかけてはいけません。変色の原因になります。
【生花】
花立のお水をかえ、茎の長さを揃えた生花を供えます。
【線香】
ロウソクなどを使ってお線香に火を点けます。
炎が上がっている場合は、手であおいで消します。
故人と縁が深い人から順に、お線香を線香受けにおきます。
*線香の置き方は、宗派によって寝かせる場合と立てる場合があります。
合掌
墓石の前にしゃがみ、数珠があれば手にかけて合掌礼拝をします。
後片付け
カラスや野良猫などに荒らされないように、お供え物は家に持ち帰ります。
掃除などで出たゴミも、ゴミ袋に入れて持ち帰ります。
火は消して帰ります。
お盆に行けない場合はどうしたらいいか
13日にお墓参りに行けない場合でも、お盆期間中であればいつでも問題ありません。
また、お盆期間中にも行けない場合、急用ができた、帰省できない、高齢でお墓参りが難しい、など諸事情でお墓参りに行けない場合は、
- 調整して前倒してお墓参りをする
- お墓の方角に向かって手を合わせる
- お墓参り代行業者さんにもお願する
など、無理のないタイミングで、お参りをしましょう。