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【地域包括ケア病棟 費用】入院費用の仕組みから自己負担額まで徹底解説

地域包括ケア病棟とは?

地域包括ケア病棟への入院を検討している方へ。この記事では、地域包括ケア病棟の費用について、入院費用の計算方法から自己負担額まで詳しく解説します。入院費用の仕組みを理解し、安心して療養生活を送りましょう。

地域包括ケア病棟の役割と目的

地域包括ケア病棟は、急性期治療を終えた患者さんが、在宅や介護施設への復帰に向けてリハビリや生活支援を行うための病棟です。患者さんののQOL(生活の質)の向上と社会復帰をスムーズに進めることを目的としています。患者さんが可能な限り自立した生活を送れるよう、様々な側面から支援を行います。

(引用元:国立長寿医療研究センターHPより)

具体的には、

  • 患者さんの身体機能の回復を促すリハビリテーション
  • 日常生活動作(ADL)の練習
  • 退院後の生活に向けた相談援助

などを行います。

医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、ソーシャルワーカーなど多職種が、患者さんの状態に合わせて、チームを組み、それぞれの専門性を活かしたチーム医療を提供し、患者さんが安心して退院できるように患者さんの状態に合わせてサポートを行います。

地域包括ケア病棟は、患者さんだけでなく、ご家族の負担軽減にもつながる重要な役割を担っています。患者や家族の意向を尊重し、住み慣れた地域での生活を継続できるよう支援することが目的です。

地域包括ケア病棟は、高齢化が進む日本において、ますます重要な役割を担っています。

地域包括ケア病棟の入院対象となる条件

地域包括ケア病棟の入院対象となるのは、急性期治療後の状態が安定しているものの、引き続き医療管理やリハビリテーションが必要な患者さんです。

例えば、肺炎や心不全などの急性期治療を終え、容態は安定しているものの、自宅での生活に不安がある高齢者の方が該当します。脳卒中後のリハビリテーションが必要な方や、手術後の体力回復が必要な方も対象となります。

また、在宅で療養中に一時的に状態が悪化し、入院による集中的な治療や看護が必要になった方も対象となります。ただし、病状が不安定な場合や、急性期の治療が必要な場合は、一般病棟への入院となります。入院の適応については、医師の判断が必要となります。

入院期間と退院後の流れ

地域包括ケア病棟への入院は、病状が安定しており、リハビリテーションや日常生活動作の訓練が必要な方や在宅復帰に向けて支援が必要な方など、

急性期治療を終え、症状は安定しているものの、すぐに自宅や介護施設に戻ることが難しい患者さんが対象となります。

例えば、

  • 骨折後のリハビリテーションが必要な方
  • 脳卒中後の機能回復訓練が必要な方
  • 手術後の体力回復が必要な方

などが挙げられます。また、認知症やその他の疾患により、日常生活に支援が必要な方も入院の対象となります。

地域包括ケア病棟は、患者さんが安心して在宅復帰できるよう、きめ細やかなサポートを提供することを重視しています。

入院の際には、医師の判断に基づき、患者さんの状態やニーズを総合的に評価します。その上で、地域包括ケア病棟での入院が適切かどうかを判断します。

入院期間や目標なども、患者さんやご家族と相談しながら決定します。

入院期間と退院後の流れ

地域包括ケア病棟の入院期間は、原則として60日以内と定められています。これは、患者さんが集中的なリハビリテーションや生活準備を行うための期間として設定されています。

入院中は、

医師や看護師、リハビリ専門職、ソーシャルワーカーなどがチームを組み、患者さん一人ひとりに合わせたケアプランを作成し、在宅復帰に向けた支援を行います。

退院前には、

患者さんやご家族と相談しながら、自宅での生活に必要なサービス(訪問看護、訪問リハビリ、福祉用具のレンタルなど)の調整や、介護施設の利用に関する情報提供などを行います。

退院後も、

必要に応じて外来でのフォローアップや、地域の医療・介護機関との連携を継続し、患者さんが安心して地域で生活できるよう支援します。

地域包括ケア病棟の入院費用:基本的な仕組み

入院費用の構成要素

地域包括ケア病棟の入院費用は、主に以下の要素で構成されています。

  • 診察料 医師の診察にかかる費用
  • 検査料 血液検査、レントゲン検査、CT検査などの検査にかかる費用
  • 投薬料 処方された薬にかかる費用
  • リハビリテーション料 理学療法、作業療法、言語療法などのリハビリテーションにかかる費用
  • 入院基本料 入院中の管理や看護などにかかる基本的な費用

その他、食事代や、特別な医療材料を使用した場合はその費用も含まれます。

これらの費用は、医療保険制度に基づいて計算され、患者さんの自己負担割合に応じて支払うことになります。

医療費控除の対象となる場合もありますので、領収書は大切に保管しておきましょう。

包括評価と出来高評価の違い

地域包括ケア病棟の入院費用の計算方法には、包括評価出来高評価の2種類があります。

包括評価とは、

入院期間中に提供される医療サービスに対して、あらかじめ定められた一定額の費用を支払う方式です。この方式では、個々の医療行為の費用は細かく計算されず、入院日数や患者さんの状態などに基づいて包括的に費用が算定されます。

一方、

出来高評価とは、

個々の医療行為(診察、検査、投薬、リハビリなど)ごとに費用を計算し、その合計額を支払う方式です。

地域包括ケア病棟では、入院基本料や一部の検査、投薬などが包括評価で計算される場合があります。どちらの評価方式が適用されるかによって、入院費用が大きく変わることがありますので、事前に病院に確認することをおすすめします。

高額療養費制度の活用

入院費用が高額になった場合は、高額療養費制度を活用することで、自己負担額を一定額に抑えることができます。

高額療養費制度とは、1ヶ月の医療費の自己負担額が一定の金額(自己負担限度額)を超えた場合に、その超えた金額が払い戻される制度です。自己負担限度額は、年齢や所得によって異なります。

高額療養費制度を利用するためには、事前に加入している医療保険者に申請する必要があります。申請方法や必要な書類については、医療保険者に確認します。

また、医療機関によっては、窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることができる「限度額適用認定証」を発行してもらうこともできます。この認定証を提示することで、窓口での負担を軽減することができます。

自己負担額を左右する要因:保険の種類と所得

医療保険の種類による違い

加入している医療保険の種類によって、自己負担割合や保険給付の内容が異なります。日本では、主に国民健康保険、健康保険組合(企業などが運営)、共済組合(公務員などが加入)、後期高齢者医療制度などがあります。

  • 国民健康保険 自営業者や退職者などが加入する保険で、自己負担割合は原則3割です。
  • 健康保険組合 企業に勤務する人が加入する保険で、自己負担割合は原則3割ですが、付加給付などの制度が充実している場合があります。
  • 共済組合 公務員などが加入する保険で、健康保険組合と同様に、自己負担割合は原則3割で、付加給付があります。
  • 後期高齢者医療制度 75歳以上の人が加入する保険で、自己負担割合は1割または3割となります(所得に応じて異なる)

ご自身の保険証を確認し、加入している保険の種類と自己負担割合を確認しましょう。

所得に応じた自己負担限度額

高額療養費制度における自己負担限度額は、所得に応じて設定されています。所得が高いほど、自己負担限度額も高くなります。自己負担限度額は、年齢や加入している医療保険の種類によっても異なります。

例えば、

70歳未満の方の場合、所得区分に応じて、自己負担限度額が下記の通り設定されています(2024年現在)

「ア:年収約1160万円以上/月額252,600円」

「イ:年収約770~1160万円/月額167,400円」

「ウ:年収約370~770万円/月額80,100円」

「エ:年収約370万円以下/月額57,600円」

「オ:住民税非課税世帯/月額35,400円」

詳細な自己負担限度額については、厚生労働省のホームページや、加入している医療保険者のホームページで確認することができます。

ご自身の所得区分を確認し、高額療養費制度を利用した場合の自己負担額を把握しておきましょう。

70歳以上の方の自己負担割合

70歳以上の方は、医療費の自己負担割合が所得に応じて1割または3割となります。

  • 70歳以上75歳未満 2割負担ですが、2022年10月1日から、一定以上の所得がある方は3割負担となりました。
  • 75歳以上 後期高齢者医療制度に加入し、所得に応じて1割または3割負担となります。

自己負担割合が低いほど、入院費用の負担も軽減されます。自己負担割合は、毎年見直されることがありますので、最新の情報を確認するようにしましょう。

自己負担割合は、保険証を確認するか、加入している医療保険者に問合わせ、または、医療機関の窓口でも確認できます。

まとめ:地域包括ケア病棟の費用を理解し、安心して入院生活を

費用に関する不安を解消するために

地域包括ケア病棟の費用は、様々な要素によって変動するため、複雑で分かりにくい場合があります。しかし、入院費用の仕組みや自己負担額について理解を深めることで、費用に関する不安を軽減し、安心して入院生活を送ることができます。

この記事を参考に、入院費用の構成要素、包括評価と出来高評価の違い、高額療養費制度の活用などについて理解を深めてください。また、ご自身の加入している医療保険の種類や所得に応じた自己負担限度額についても確認しておきましょう。費用に関する疑問や不安がある場合は、遠慮なく病院の相談窓口や医療ソーシャルワーカーに相談しましょう。

相談窓口の活用

地域包括ケア病棟への入院を検討する際には、病院の相談窓口や医療ソーシャルワーカーなどを積極的に活用しましょう。相談窓口では、入院に関する様々な疑問や不安に対応してくれます。

例えば、入院費用の概算、高額療養費制度の利用方法、退院後の生活に関する相談など、個別の状況に合わせて丁寧にアドバイスしてくれます。医療ソーシャルワーカーは、医療費や生活費に関する相談、福祉制度の利用支援、退院後の生活環境の調整など、社会福祉の専門家として、患者さんとご家族をサポートします。

相談窓口の利用は、原則として無料です。安心して相談できる窓口を見つけ、積極的に活用しましょう。

制度の活用

入院費用の負担を軽減するためには、高額療養費制度や介護保険などの制度を積極的に活用しましょう。高額療養費制度は、1ヶ月の医療費の自己負担額が一定額を超えた場合に、その超えた金額が払い戻される制度です。

介護保険は、介護が必要な高齢者や特定疾病を持つ方が、介護サービスを利用する際に費用の一部が給付される制度です。これらの制度を利用することで、経済的な負担を大幅に軽減することができます。制度の利用には、申請が必要な場合があります。

申請方法や必要な書類については、加入している医療保険者や市区町村の窓口に問い合わせて確認します。また、医療機関のソーシャルワーカーも、制度の利用をサポートしてくれます。