5月中旬に大和川(やまとがわ)の河原へ野草の先生と散策に行ったときのこと。近鉄の新王寺駅で待ち合わせて三郷町役場方面に向かう大和川の河原で大量のセイヨウカラシナのタネに遭遇しました。そのときに収穫して保存していたタネで粒マスタードをつくってみました。
粒マスタードは河原を探せ
菜の花が終わり薄紫色の弱草藤(なよくさふじ)が咲き始めるころ、河原の菜の花は、枯れ果てたあとに細長いさやをたくさん実らせます。この菜の花の正体は、実はセイヨウカラシナだったのですね。
セイヨウカラシナは、その名の通り「西洋芥子菜」です。元々食用として導入されたものが野化しました。(中略)各地の荒れ地や河川敷などで群生しているのが見られます。岡山では旭川の河川敷や堤防などで黄色い「菜の花」を咲かせて春の風物詩となっています。
このさやの中にセイヨウカラシナのタネが入っているのですが、これは実は粒マスタードの元になるというのです。
たくさん持って帰ろうとする私に、「あとでひどい目にあうのでほどほどに」と先生からのご忠告です。ひどい目というのが、さやから粒を取り出す作業が骨の折れる作業だからなのです。
粒マスタードの材料セイヨウカラシナの種の下処理
まず、持ち帰ったさやは、まず天日に干して乾かします。乾くとさやがはじけてくるので、さやと種を分けていきます。このとき乾いたさやがポロポロ粉々になると、粒にまじらないようにするのが本当に大変な作業です。正直、肩がこります。
あの粒マスタードの大きさの種をよるわけなので、小豆をよるが大変というレベルではありません。
手作り粒マスタードのレシピ
セイヨウカラシナマスタードの材料
カラシナの種……1カップ
ビール……1カップ
酢……1/4カップ
塩……小さじ1
砂糖……小さじ1
セイヨウカラシナマスタードの作り方
1.セイヨウカラシナのさやから種を取り出す
2.保存瓶にカラシナの種を入れ、ビールと酢を注ぎ入れて、常温で1週間ほど置く。
3.1週間ほどすると、種が沈んできます。種がふやけてきたら、すり鉢にビールごと移し、塩と砂糖をよくとかしたのち、スリコギでする。
4.すり続けると種が潰れて黄色っぽくなる。辛味が出てきて、鼻をつくような刺激がでてきたら完成。
5.冷蔵庫で保存する。
さて、出来上がった粒マスタードをソーセージに添えていただきました。
粒マスタードの成分
粒マスタードのツーンと刺激する辛味成分は、わさびとおなじアリルイソチオシアネート。時間が経つとせっかくの香りが失われてしまうので、早めに使いきりましょうね。